高カリウム血症を見たときの対応

医師(医学生)向け

0.まずはじめに

高カリウム血症になると何がいけないのでしょうか?

答えは致死性の不整脈を生じることになるということです。

なのでまず行うこととしては致死的な不整脈の予防です。

そのことを意識した上でこれからの文章を読んでいってください。

1.グルコン酸カルシウム

まずはじめに行うことはグルコン酸カルシウムの投与です。

グルコン酸カルシウムには高カリウム血症により生じる心室頻脈や心室細動などの致死的な不整脈を予防する効果があります。

2.GI(グルコース・インスリン)療法

グルコン酸カルシウムの投与を行った後にGI療法を行います。GI療法はすぐに効果を発揮してK値は低下しますがその効果は一時的であり、またK値は上昇するということはしっかりと覚えておかなければなしません。GI療法を行って安心しないようにしましょう。通常、50%グルコース溶液を25〜50g、速効型インスリン10単位を静脈内投与します。

ではGI療法の後に何をするのか。その話を3と4でしていきます。

3.ループ利尿薬

カリウム保持性利尿薬やACE阻害薬、ARBを使用している患者には、薬剤の調整が必要です。カリウム排泄を促進するループ利尿薬(フロセミドなど)やチアジド系利尿薬が推奨されます。

4.陽イオン交換樹脂

腸管カリウム排泄促進薬(例:ポリスチレンスルホン酸カルシウム)は、腸管でカリウムを結合し、排泄を促進します。経口投与または直腸内投与が可能です。

5.まとめ

高カリウム血症は迅速な診断と適切な治療が求められます。医師として、原因の特定と適切な治療法の選択が重要です。緊急治療法と長期的な管理を組み合わせ、患者の安全を確保し、予後を改善することが目指されます。患者教育と定期的なモニタリングを通じて、再発予防にも努めましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました